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2008/08/07[院長コラム]崖の上のポニョと入れ歯

8月で〜す。いやはや、暑いですね〜。皆さん体調はいかがですか?もう少しでお盆休みという方も多いのではないでしょうか。もう少しの頑張りですね。(自分自身にも)
この、コラムの欄を覗いてくれている方から、「前のHPの方が好きでした。」というご意見を頂きました。有り難うございます。今回のHPは私自身かなり入れ込んでおります。その分、ちょっとアクドイかもしれません。好き嫌いがあるかもしれませんが、それでも今回のHPの方が皆さんには私の色々な思いや考えを良く伝えられているのでは、と、自画自賛しているのですがいかがでしょうか?
今日、話題の宮崎駿監督作品「崖の上のポニョ」を観に行ってきました。オヤジ独りの観客はちょいと変でしたが、まっ、いいでしょう。ファンとしての作品評はともかくとして、アニメの人物画にリアルな歯が描かれる事は少ない様です。「崖の上のポニョ」でもそうでした。ただ、歯のある人と歯の無い人の差は歴然と異なった描き方でした。
と、言うより。作中のデイケアーサービスセンターのおばあさん達の象徴的な特徴として歯を失った人の顔貌(顔かたち)が典型的に描かれていました。歯を失った人は、実は歯だけではなく歯と歯を支えている歯ぐき(実は歯を支えている顎の骨の部分)を失っています。そのため、口元がくぼみ深い皺が寄っていたり、特に下顎細く描かれています。また、下顔面(鼻から下顎までの部分)が短く描かれています。
これらは、いずれも歯や歯を支えている顎の骨を失ったために口の中の容積が減少した結果です。作中のヨシエさんやカヨさんそしてトキさんが何故入れ歯を入れていなのか?(笑)はともかくとして。逆に言えば入れ歯の人工臓器としての役割は失った容積の復元とそれに伴う生き生きとした美しさと機能の回復という事になるでしょう。
「入れ歯」作りは、歯医者泣かせの治療のひとつだと言えます。もっと言えば歯医者と歯科技工士、そして患者様泣かせの治療の代表かもしれません。
患者様にしてみれば歯や顎の骨が無くなったお口の中に大きな(元の容積を回復するという事はかなり大きな入れ歯になる事が普通です。)固い入れ歯が入るのです。鬱陶しいに決まっています。
また、入れ歯は言うなれば義足と同じです。正しく「義歯」なのです。義足は皮膚と接します、一方「義歯」は皮膚よりずっと柔らかい粘膜に乗っています。痛くなる訳です。
義足はバンドなどで足に固定しますが、一般的に「義歯」は着いている(吸着)だけです。さらに舌や頬、唇など様々に動く筋肉に囲まれています。しっかりとしないわけです。
私たち、歯科医師や歯科技工士はこれらの弱点を逆手に取って機能的な審美的な快適な「義歯」つまり入れ歯を一生懸命に作りるのですが、なかなか上手く行かない場合が多いのです。原因は色々あるかもしれませんが、一番多く感じられるのは入れ歯が「義歯」であるにもかかわらず、トレーニングとしてのリハビリテーションの期間を健康保険では認められていない事です。そして、入れ歯を入れられる患者様もそういった心構えを持って臨まれる方が少ないように感じます。
他でもなく、歯科医師である私どもの皆さんへのきちんとした説明不足もあるでしょう。おそらく、健康保険で治療されている多くの歯科医師がそのようなトレーニングが制度上出来ないために、説明をも省いているのではないかと思われます。
お互いに、入れ歯がお口に入った時点からがスタートだ。と言う思いで治療に臨まないと考えが食い違って来てしまうのです。
この先は、少し長くなってしまうので次回にしましょうか。
もう少し、「入れ歯」「義歯」についてあれこれ書きましょう。
暑さ厳しきおり、くれぐれもお身体をご自愛下さい。
では、また。