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2022/10/27[院長コラム]停戦後のウクライナの分断を憂う。極限状態での「赦し」

こんにちは

10月も終盤となり、ようやく秋めいた日和が届く様になりました。と、言うよりここ数日東京では一気に冬到来の気温になり皆さんも着るものにあたふたしていらっしゃるのではないでしょうか。

さて、ウクライナでは欧米の軍事供与によってウクライナ側の攻勢が続いている様ですが、ロシア側の抵抗や核の威嚇などでまだまだ先行きの見えない状態が続いています。しかしながら、戦いを永遠に続けるわけには行かず結果がどうあれいずれは停戦の時が来るでしょう。その際に改めてウクライナとロシアの国境線がどこに設定されるか分かりませんが、今から停戦後のウクライナ国内での親ロシア派といわれる人々との間の禍根による分断や差別が心配されます。事実、ウクライナによって奪還された地域では、ウクライナ当局による親ロシア派の人々やロシアの支配下でロシア側に協力した住民などの魔女狩りまがいの摘発が横行している様子もニュースに流れていました。

もともとウクライナという国は一つのまとまった統制の取れた国となったのはごく最近であり、歴史的ロシアに接する東側とヨーロッパに近い西側では同じウクライナ国民でありながらかなり異なった背景があった訳です。そこへ来てのロシアの侵攻で同じ地域住民同志、隣人同士のバランスが崩れてしまったという事です。ゼレンスキー大統領自身を含め今やウクライナ対ロシアは西側諸国対ロシアの代理戦争さながらの様相を呈しています。停戦後に過去にあった様々な戦争と同様にこの戦いがウクライナの内戦様相にならぬよう、また内戦までいかずとも同じ民族同士でのジェノサイに繋がらぬ様願うばかりです。

戦争という極限状態は人間同士の様々な繋がりや関わりをまで破壊してしまいます。私自身がその立場になって「赦しあえる。」かどうか全く分かりませんし、その自信もありません。しかし少なくとも幸に平和の中で暮らしている今、ここで、多様性を許容する事が、分からない分かり合えない相手とわかり合おうとする営みを続ける事、分からずとも共存し続ける事がいつか来るかもしれない極限状態での破壊力においてか弱いながらの防波堤にならないでしょうか。