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2021/09/20[院長コラム]SDGsにかなってる? 医療廃棄物はどこに!?

こんにちは

9月も後半になりました。先週末は日本列島を台風から温帯低気圧が通り抜け各地で警戒情報が発令されていましたが、東京では昨日と今日秋晴れの汗ばむ空模様になっています。その中でおおよそ2年ぶりにリアルな学会に参加してきました。Web併用での開催でしたが、私にとっては何と言ってもリアルが楽しくも嬉しいそして勉強になった1日でした。

 

さて、コロナ禍で医師や看護師が感染防護服やマスク、グローブ姿で患者さんの治療に当たっている映像を私たちは毎日のように観ています。では使い捨てのマスク、グローブ、感染防護服や点滴・注射に使用された針などはその後どうなっているのでしょうか?考えたことがありますか?

私たち歯科医療現場でも同じですが、医療廃棄物はその処理の仕方が法律で厳しく定められています。基本的に事業者(病院や医院・歯科医院)はその産業廃棄物を自ら処理しなければならないのですが、とてもそれは無理話なので、通常は廃棄物処理業社に廃棄を委託することになります。委託に関してはマニフェストに定め二次処理業社を含めて厳格に契約を結びます。逆に言えば医療廃棄物を含む産業廃棄物は収集運搬業社から中間処理業社(加熱処理、焼却などで病原性や毒性を無くし)さらに二次運搬業社から最終的に埋め立て処分業社により埋められるという孫請け、ひ孫請けの構図になっています。ここに問題があります。どの医療機関もきちんとした処理業社に処理を任せているとは思いますが、その孫やひ孫までは目が行き届かないのです。最終的に合法的な安全が確保された処理がされているかどうか実際にはつゆ知らぬ医療機関(私も含めて)がほとんどではないかと思います。そしてまた、どんなに安全が確保されていたとしても結局はどこかに埋められるだけというのも問題がないでしょうか。

さらには、私たちの知らないところで、リサイクルや確実・安全な廃棄処分との名目で海外へ搬出している実態もあるとのことです。これは医療廃棄物のみならず今話題のプラスチックゴミも同様ですし、今朝ニュースになったのは原子発電所由来の放射性廃棄物処分が海外に委ねられるとする経済通産省の方針転換もしかりです。

私たちは21世紀のこの日本に生き様々な恩恵に預かっています。原子力による電気、プラスチックによる利便性、そして感染要望に徹底した医療・歯科医療。しかしその先のことは見えないふり知らないふり考えないふりをしていないでしょうか?私たちは生きている以上必ず何かを消費し排泄もしくは廃棄しなければなりません。しかしその廃棄物の量や質が有限な地球環境を犠牲にしてまでの量や質であったならどうでしょうか?とりあえず、目の前の机の上が整理整頓できればいいのですか?我が家の中のゴミが片付けられればいいのでしょうか?ご近所がきれいならいい?日本さえ美しければ?そのうちに「問題な〜い!地球のゴミは月に埋めればいい」との時代が来るのでしょうか。 原子力発電所は無くしていく(それでも廃棄物は出ます。)、プラスチックは使わない(便利を捨て社会システムの変更が必要です。)は出来ますが、医療現場での廃棄物を減らすことは今の所出来そうもありません。この事実を皆さんはどう考えますか。