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2017/11/23[院長コラム]歩く早さでの世界を生きよう

  こんにちは
 今回は、前回霜月のコラムで最後の数行で言いかけた(ある愛読者から11月の最後の数行は訳が分からんかった。といった至極真っ当なご意見を頂戴しました。 確かに・・・苦笑)解説?をしたいと思います。解説がまた分け分からんかもしれませんが・・・・勘弁して下さい。
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 世界(世の中)は様々です。当たり前の事ですが、「今」「自分の」「目の前の」現象(事象)以外に「」の中が代わるだけ多様な世界があり得るのです。その順列はほぼ無限になるはずです。「時間」「主体」「空間」夫々の交錯した一断面しか私たちは認識していないのです。その隣り合わせの所に全く異なった世界があるにも関わらずです。
 この事は言われれば確かに当たり前ですし特段の事ではありません。しかし、その事を意識するのはそう簡単ではありません。特に現代は「より早く、より遠くへ」の「資本の蒐集」の時代であります。より遠くへ行こうとする限りより早く移動しなければならずその状態で「目の前の」でなく、よそ見をし眼前の景色以外に眼を移す事などで来ませんし、よしんばジェット機の自動航行やこれから来る自動車の自動走行のパイロットや運転手であったとしてもその速度は多くの隣り合った世界を置き去りにするには十分過ぎるほどの速度であるはずです。
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 其の様に考えてみれば(振り返ってみれば)私たちはなんと豊かで多様なな世界に居るのでしょう。ちょっと立ち止まって横を見れば・振り返れば・見上げればそこは全く異なった景色や現象があるのです。ほんの数秒、ほんの数センチ時間や立ち位置が代わればまたそこには異なる世界があるはずなのです。
 あるヒトはそれを囲まれているという表現の仕方をするかもしれません。しかしながら、現象(事象)は私たち「主体」の外側に壁の様にあり「主体」が一方的にそれを感知しているのではなく、あくまで3つの「」の交差した断面としてある訳です。その豊かな世界つまり現象に気づくためには正しく『歩く早さ』がちょうど良い事が、早朝の速歩をしていて解ったのです。無論、先ほどの述べた様に「立ち止まる」事によっても気づきは可能です。場合によっては「立ち止まる」方がより一層現象に近づく事(深く認識する事)が出来るでしょう。ただ、ここでは気づきの機会を得るための有り様を述べたいので『歩く早さ』を提言させてもらっています。
 ただまだ問題があります。歩く早さでいてさえすれば豊かで多様な世界に気づくことが出来るのでしょうか。当然答えは否であります。たとえ歩いていたとしても、考え事をしていたり頑な意識に凝り固まって一点を見つめていたり、はたまた現代風にiphoneで音楽に聴き入っていれば隣り合った世界を見過ごしてしまうでしょう。『歩く早さ』ではあくまで「主体」は自由でなければなりません。
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 さて、ここからが重要です。「自由」な『歩く早さ』の「主体」とはどの様な状態の私であり、何をなしうるのでしょうか。『自由な歩く早さの主体』は多様な世界(現象)に感応する事が可能になり開かれた解釈と公正な行動を行うことが可能になるのではないでしょうか。現代社会においてあまりの多くの重圧や過酷な現実に直面している人々が苦悩しています。ニュースネタになるほどの事でなくとも、私たちは日々多くのストレスや疑心暗鬼・不安に苛まれています。そんな時ふと歩みを緩め目線を変え少し未来や過去を思いやってはどうでしょうか。今まで思い込んでいた、そして見えていた世界(現象)と異なる世界に実は私たちが居る事に気づかされるのではないでしょうか。
 単なる気休めだと人は言うかもしれません。そうかもしれませんが、しかしちょっと待って下さい。「気休め」こそが大切なのではないですか?気の休まる世界が常にすぐそこにあるという事、今直面している厳しい現実だけが実は現実では無いという事に気づいた時、私たちは心安らかに豊かな世界を生きる事が出来ると思うのです。
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