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2006/12/31[院長コラム]根の治療は根本だ。 その2

2007年も、よろしくお願い致します。
 年末はバタバタと忙しく、月一度のペースでコラムを更新しようという意志が早くも崩れ、皆様には申し訳ありませんでした。意外とコラムに目を通して頂いている方が多いようで、どうすれば限られたスペースで分りやすく正確に伝えられるか少しばかりプレッシャーを感じています。今年は専門的な話の他に、私の身近な話も織り交ぜながらやって行きたいと思います。また、一年間お付きいください。
 とあれ、今回は「根の治療(歯内療法)」の2回目です。実態と近年の新たな方法でしたね。前回も書きましたように「根の治療」はとても複雑で細かい治療です。当然、手間と時間がかかります。大きな炎症がある場合は必ず再発しないで良くなると、見極めるまで数ヶ月かかる場合もあります。
 一方、根本の治療(根の治療が失敗した場合、多くのケースでは被せものを壊して外し再治療か歯を抜くしかありません。)であるにもかかわらずに健康保険では2回目以降一本の根の治療費は120円に設定されています。ひどすぎます! それでも、多くの歯科医師は赤字覚悟で真面目に「根の治療」に取り組んでいます。しかしながら、その限界は明らかで当院でも他院でされた根の再治療が非常に多いのが現実です。
 人間の身体は様々であり、確実で100%の治療はあり得ません、どんなに手を尽くしても治しきれない根もあるのです。その上に、健康保険の制約があり、これらのジレンマに多くの歯科医師が長年悩んできました。しかしながら、近年この歯内療法に福音をもたらす三つのトピックスがあります。 
その1 でも書きましたように、根の炎症はもともと虫歯=虫歯菌が原因です。そして治療する場所が、とてつもなく細く複雑な歯髄腔であると言う事が問題でした。そのために・・・・。
1.超弾性(細くしなやかな)のニッケルチタン製の器具の登場。これにより複雑な歯髄腔(根管)を無理なく隅々までキレイにする事が可能になりました。
2.細菌に効く根管内に入れる薬の見直し。その結果、従来の歯医者さんの匂いの代表だったFCという薬から水酸化カルシウムや抗生剤に替わりつつあります。
3.細かい所を拡大して視る為の拡大鏡や顕微鏡の治療への導入。歯内療法では最高倍率25倍程度の顕微鏡が使用され、細かく複雑な根管への手探りではない確実なアプローチを可能にしました。
 でも、しかし。これで問題が一気に解決という訳には行きません。それでもなお、根の治療(歯内療法)が困難な治療であるに変わりはないのです。
 一番大切な事は根の治療になる前に虫歯の進行を確実に止める治療を選択する事。(当コラム 「虫歯は治らない」 参照)そして、さらには虫歯にしない事、健康を維持する為の歯医者さんのケアーを受ける事が最も重要だと感じます。
 
 そのうえで、次回は上記三つのトピックスの問題点を含めた解説とそれでも「根の治療」になってしまった場合、患者としてどのような情報をどの程度判断出来ればいいのかをお伝えしたいと思います。