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2007/03/05[院長コラム]健康保険じゃ保健はできない? その1

 今年は暖冬のまま終わりそうですね。当院の庭の桃も普段は節句の二週間後ぐらいに花が開くのですが、今年は「おひなさま」と一緒でした。地球はどうなってしまうのでしょうか。
 読者の方から『前回のコラムはいくらなんでも愚痴っぽかった。』とのおしかりの感想をいただきました。今回の「健康保険」については、ただでさえ愚痴っぽくなってしまいがちなので、よくよく気を付けて客観的に書きたいと思っています。
 さて、皆さんもご存知のように「日本国」は世界に冠たる国民皆保険国家です。日本国民はその恩恵によくし、今や「世界一の長寿」にもなっています。しかしながら、長寿であるという事と「健康な生涯」を送れるということがイコールではないように、健康保険で健康を保てる訳ではないのです。
 歯科に限った話で言えば、巷が虫歯の洪水だった戦後から昭和40年代ごろまでは、健康保険で保健が出来ていたかもしれません。
 が、第一番目に、その内容は現代歯科医療の内容を反映しておらず、更には疾病構造が変化して来ているにもかかわらず相変わらずの昭和30年代の内容だという世間の常識との格差があります。
 第二番目に、健康保険という「出来高払い制」システム自体の問題が、歯科と世間の常識の壁を作っています。
 さらに、三番目として、基本的に政府(厚労省)は国民の健康のことなぞ、ほとんど考えていない。という実態があるのです。
 今回と次回はコノ三点に関して簡単な事例をあげながら、なるべく分りやすく説明したいと思います。
1)現代において、歯科の疾病構造は大きく変化しました。昭和20〜40年代は虫歯の洪水であり、虫歯は治らない、(そうではない事は既に書きました。)ゆえに、削る、削った所を埋める。被せる。さらに虫歯が進行して痛くなったら治らない(これも根の治療は根本だ。で書きました。)、だから神経を抜く、歯を抜く。そして、入れ歯を入れる。歯を削ってブリッジ(金属の橋渡し)を入れる。でした。しかし、現在は初期虫歯は自然に治る事が分かっており、根の治療も手間をかければより良い予後が約束されるようになったのです。虫歯や歯周炎のメカニズムが分かって来ており、予防する事が可能になって来ているのです。そして、治療技術は日進月歩で進歩しています。 
 しかしながら、健康保険でカバーさている内容は依然として被せものや入れ歯等の昔ながらの治療内容にかたよっています。虫歯や歯周炎に対しての予防的な内容や予後の良い高度なレベルの治療に対しては充分とは言えないのです。さらに、カバーされている被せものや入れ歯のレベルも前時代的であり、現在の精密で審美的なものは対象外になってしまいます。
 皆さんは虫歯や歯周炎は健康保険の治療で歯医者さんに通えば治ると、当然お考えだと思います。でも、考えて下さい。アナタのお口の中には、はじめっから銀歯や入れ歯が入っていた訳ではないですよね?はじめは、チッチャな虫歯だったり気づかないぐらいの歯茎の赤みだったはずです。なぜ、いつの間に大きな銀歯や入れ歯になってしまったのでしょう?
 実は驚くことに平均的に歯に被せる冠の寿命は7年ぐらいだというデーターがあるのです。神様が与えて下さった身体に勝る人工物などありはしないのです。虫歯も歯周炎も原因は細菌です。きちんとしたお口の中の検査をし、その検査結果に基づいた細菌対策をせずに、ただ単に虫歯を削って詰めたり被せたり、歯石を取ることは病を治すことにはならないのです。その結果が冠の寿命が7年であり、チッチャな虫歯がいずれ入れ歯ということに他ならないのです。
  皆さんは、ご自身の健康を取り戻すために、歯科医院へ通われているはずです、それが逆の結果を招いていたとすればどうお考えになるでしょうか。
 さらに、健康保険のシステムは様々な問題があるのです。次回はこのつづきを・・・。