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2013/12/24[トピックス]高齢者ケアメソッド 「ユマニチュード」

高齢化に伴い,急性期医療の現場においては,認知症あるいは認知機能の低下した患者の入院が増えている。入院の原因となった疾患の治療・看護ケアを行うに当たり,その意味が理解できないためにケアを受け入れることが困難な患者に対して看護師は疲弊・消耗している。治療ができない,あるいは安全が守られない場合には,やむを得ず身体拘束や向精神薬の投与で対応する場合があるが,これは結果的に身体機能の低下と入院期間の長期化を招き,医療の質の保持も困難になる。
 フランスで35年の歴史を持つ高齢者ケアメソッド「ユマニチュード」(MEMO欄参照)は,欧州の医療・介護施設で広く受け入れられ,認知症ケア問題の解決に役立てられている。日本においても同メソッドの実践が始まっており,このたび日本支部が正式に発足する。本紙では,ユマニチュード創始者のイブ・ジネスト氏を囲んで,同メソッドを看護部の方針として採用した国立病院機構東京医療センター看護部長,ユマニチュードを学んだ医師・看護師との座談会を企画した。
やりたかった看護を取り戻す
   中略
ジネスト: 私たちは「健康に問題のある人をケアする職業人」であることを忘れてはいけません。ケアには3つの段階があります(表1)。まずは回復をめざすこと。ただ,必ずしもすべての患者が回復するとは限らない。そのときは,第二段階として機能を保つことをめざします。これも難しいとなれば,「共にいる」ことを大切にします。そして,いかなる場合も個人の健康を損ねてはなりません。
表1 ケアの3つの段階
1.回復をめざす
2.機能を保つ(悪化しないようにする)
3.共にいる(亡くなるまで付き添う)
 当たり前のように聞こえるかもしれませんが,本当に実践できているでしょうか。立位可能な患者を,ベッドに寝かせたまま清拭していないでしょうか。
  中略
ジネスト ユマニチュードのテクニックは,基本となる4つの柱(表2)で構成されています。これも当たり前のようでいて,実際は「見つめること」ひとつとっても簡単ではありません。上から見下ろすのは侮蔑を,斜めからの目線は攻撃性を示します。「水平に,正面から」見る必要があるのです。そして,時間をかけて,相手の顔から20 cmくらいの距離で話し掛けることが推奨されます。なぜなら,「見ているつもり」「話し掛けているつもり」が存在の否定につながるからです。
表2 ユマニチュードの基本となる4つの柱
1.見つめること
2.話し掛けること
3.触れること
4.立つこと
   医学書院 週間医学新聞 第3056号より