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2011/01/23[院長コラム]今、中学校の食育を憂う?!  その3 私が考える問題点

こんにちは
さてさて、今回は「学校給食」の続きです。その1、その2 で現在の中学校(私が学校歯科医をしている。)の学校給食のお話をしてきました。栄養士さんの奮闘ぶりや、親御さん達の反応、そして本物志向の様々な食育の取り組みをお話ししました。
そんな中、食の入口の健康を守り育てる私達歯科医師から見た、問題点を少し書いてみたいと思います。
学校給食は確かに、様々にすばらしい取り組みがされています。その理念、内容ともに頭が下がります。ただ、その学校給食がどのように実際食べられているのでしょうか?残菜のお話はしましたよね?私は思わずお聞きしました。「給食の時間は何分あるのですか?」皆さんは何分あると思いますか??なとん、わずかに25分だそうです!
その中には配膳の時間も入っているので実際には5〜10分ほどで、食事を終わらせている事になります。いくら、ランチだからと言ってそれでは、一口20回噛みならぬ、一口一のみ丸呑みに近いのではないでしょうか?これでは、どんなに栄養士さんや調理師さん達が心を込めて労力を惜しまずに作った食事も味わう間もありません。し、消化吸収もよくないでしょう。
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最近のお子さんにはごく身体は健康なのに「咀嚼、嚥下」という人間として基本的かつ重要な能力が劣っていたり正常ではないお子さんがとても多いのです。中学校から「咀嚼・嚥下」のトレーニングもないでしょうが、中学校の給食の時間がこれではおそらく小学校やもっと下の幼稚園、保育園の時間的なゆとりは一体どうなっているのか、推してはかるべし。だと思います。
また、そのようなあわただしい食事中の姿勢はどうなのでしょうか?食事中の姿勢はとても大切です。姿勢が生理的な正常な「咀嚼・嚥下」の基本でもあります。これは、実際に見ている訳ではないので、判りませんが。きっとしっかりと正面を向き足と腰を据えて背筋を伸ばして椀を持って口元へ近づけて食事をする。といった状態ではないでしょうね。
このように、せっかくの『食』が正しく摂取されていないという実態があるのです。どんなにか美味しく、手の込んだ食事であるにもかかわらず、子供達はあただしく、ただ栄養を流し込むようにしているというのが現実の様です。学校では教育で頭や身体を鍛えているのに、その根本の食事の風景がこんなでは本末転倒ではないでしょうか。
単に栄養価やエネルギー量から、食として付加価値を高めたせっかくの給食です。形だけでなく、ここでもそれを実際に食べるという機能に着目して名実共に『食育』の質を高めていきたいと思います。
食事の時の姿勢や態癖が下顎の位置に影響し、それが廻り回ってまた姿勢や精神状態に影響するという話を少しだけさせて頂きました。校長先生が「今、ちょうど三年生を対象に数人ずつで校長室に呼んで、面接の練習をしているのですが、その時の生徒達の姿勢の悪さや猫背がとても気になっていました。歯科と関係があると知って、びっくりしています。」と、おっしゃっていました。
姿勢の悪さがすべて歯科のせいであるかどうかは判りませんが、必ずその一部の子供達にはお口の中に問題があり、普段の姿勢や態癖に原因があるはずです。もっと、そういった事に関心が払われる様に私達も勤めていかねばいけないと思いました。