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根の治療は根本だ。 その3

院長コラム「知られざる歯科の日常」

根の治療は根本だ。 その3

2007年02月1日

 例年にない暖冬が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。自然界にも人間社会の様々なひずみが現れているようです。病や医療の現場にも同じ事が言える様な気がします。
 さて、今回は 「根の治療は根本だ。」の最終回です。「歯内療法(根の治療)」の3つのトピックスについて少し詳しく書いてみたいと思います。
 1つめは、「ニッケルチタン製の器具」の登場でした。
 一見今までの器具と変わりませんが前回お話ししたようニッケルチタンは超弾性といって、とってもしなやかなのが特徴です。そのため、ニッケルチタン製のファイル類(細い針のような3センチぐらいの器具)は曲がりくねった根管(もともとは歯の神経の入っていた所。細菌が増殖しているスペース)にそって入り、ヤスリの様な動きで根管の中の細菌や細菌に感染した歯の部分を削り取ってくれます。そのため、今まで取り残してこざる得なかった様な部分の細菌まで取り除け、また不必要な箇所を削る必要が無くなり根の治療の成功率が上がります。
 歯科医師によっては効率を求めてエンジン(モーター等で自動的に回る機械)の先にこのニッケルチタン製ファイルを付けて治療をする方も居ます。手で行うのが良いか?機械で行うのが良いのか?は一長一短でなんともいえません。しかしながら、いずれにせよ根の先のギリギリの所は手用のファイルで行うのが一般的です。
 問題は、このような優れた材質の器具が登場しているにもかかわらず、まだ多くの歯科医師が従来のステンレス製のファイルを使用せざる得ないと言う実情です。原因はやはり現行の健康保険制度でしょう。チタン製品は高価で一本約500円ほどし、ステンレス製の約2.5倍します。そのうえ、何回か使用すれば劣化してしまいます。前回書きましたように一回120円の治療にその様な器具を使用していては、治療を継続していこと自体が困難になってしまうのです。
 さて、2つめは「根の中に入れる薬」の種類でした。従来は歯医者さんの匂いの代表のFC(若干の毒性があり、価格が安い。)という薬剤が多かったのですが、近年の科学的データーの蓄積によって”水酸化カルシウム製剤”(生体に安全、それ自体は安いが歯科用薬剤としては高価。)に取って代わられてきています。
 さらに、一部の歯科医師は”抗生剤”を推奨しています。”抗生剤”は皆さんもご存知のように細菌をやっつける薬ですから、当然根の中の細菌にも効果がある事はお分かり頂けると思います。ただし、”抗生剤”には菌交代現象といういざという時薬が効きにくくなる弊害がありますので安易に使われるのはどうでしょうか?きちんと相手の細菌の種類を調べ、その細菌に効く薬を選ぶ手間が必要になって来ます。(共に保険適応外)。また、話は少し変わりますが、一部マスコミで虫歯の治療にこの”抗生剤”を使用する歯科医師が登場しており、同様の治療をする歯科医師を時々見かけますが、これは本末転倒ではないかと思うのです。(詳しくはまた別の機会に。)
 3つめは「拡大鏡/顕微鏡」でした。細かい治療をするのですから、拡大したり顕微鏡下での治療は当然の事の様な気がしますが、つい近頃までそうではありませんでした。これは使用機器の発展と患者様皆様の健康へのニーズの高まりがなしえた進歩だと思います。より良い予後を求める治療、より精緻な治療、より審美的な治療には今までのミリ単位の治療ではなく、ミクロン単位の治療が求められるようになり拡大鏡や顕微鏡で治療する歯科医師が増えて来ました。とは、言ってもまだまだごく一部ですが・・・。ちなみに、当院では歯科医師の拡大鏡と顕微鏡の使用のみならず歯科衛生士らスタッフも拡大鏡を使用し精密な予後の良い治療を目指しております。
 残念ながらここにも、健康保険制度と先進機器への投資をためらわざるえない現実のとのギャップが存在します。特に、根の治療で威力を発揮する顕微鏡は一台、300万円から700万円もし、使いこなす実力とともにまだまだ一般的ではありません。

  以上のように幾つかの福音もあるのですが、それを阻む様々な障害やまた根本的な治療の難易度から依然として「根の治療」が難しい治療である事に変わりはないのです。患者様は治療をすれば治るのが普通と思っている方がほとんどではないでしょうか?それが世間の常識だと思います。
 実は、歯科の常識ではそうではありません。私達は出来うる限りの事をし、さらに『治らない可能性』をも正直に伝える誠実さを持ちたいものです。しかし、それはあくまで「出来うる限りの事」をしたうえでの話なのです。現実の医療制度は「出来る事もさせてくれない、国民の健康を放棄した」システムと言わざる得ないのです。次回は少し視点を変え現行の健康保険システムについて書きたいと思います。
 最後に、そうは言っても現実に治療を受けている方がご自分の治療を判断する基準をお教えしましょう。「根の治療」の判定は簡単ではありません。唯一無二、絶対の判定はありませんが、
1.術前、術後にレントゲンを撮り、まずその説明をしてくれる先生はおおむね信頼していいと思います。そして、2.術後のレントゲンで根の中の白っぽく見える詰めた薬剤(材)が根の先から1mmぐらい手前まで写っているでしょうか?さらにご理解頂きたいのは、3.治療には回数と時間がかかる。と、言う事です。
 ここにも、ひとつ皆さんから見ると非常識な「歯科の常識」があります。歯科治療は基本的にどんな小さな治療でも、たとえ歯石取りでも、外科手術なのです。皆さんは検査なしに手術を受けますか?でも、検査せずに歯石を取ったり虫歯治療をした経験はありますよね? 検査や治療回数、時間を惜しむ事はご自身で治る病を治さなくてもいいと言っている事になるのです。是非、その事をご注意下さい。

 今回は少々長くなってしまい。申し訳ありません。次回は世間の非常識、歯科の常識の最たる健康保険制度について書きたいと思っています。